学生ローンの利用に関して、こちらで詳しく説明したい。
学生ローンとは学生だけを対象とした異例のローン会社である。
もちろん学生以外の社会人等は利用する事ができないが、通常は一般の消費者金融では審査が通りにくい学生が、唯一審査が通りやすい
それだけに学生ローンを利用する学生は年々増加傾向にあるのだが、その反面、ネットワークビジネスの被害者も比例して急増している。
特に問題となっているのが、金額が50万円を超えるネットワークビジネスが増えていることだ。
以前であれば、学生をターゲットとするネットアークビジネスの多くは、5万円~10万円程度の少額のものが多かった。
しかし、近年ではフェイスブックやツイッターをはじめ、ソーシャルメディアの普及が高まり、不特定多数の勧誘が被害を拡大させている大きな要因となっている。

以前であれば、勧誘は同じ学校のクラスメートなどがメインであった。
そのため、友人同士で「怪しいのではないか」など相談相手もいた。
学生ローン側も同じ学校の学生ばかりが来るので、おかしいと感じる事ができた。

ところが、現在はソーシャルメディアを悪用した勧誘がメインとなる為、こうした不自然さを全く感じとる事ができない。
このような状況もあり、水際で被害者を食い止める事が、なかなか困難なものとなっているのが実情である。

学生ローンではこうした被害を未然に防ぐ為、注意喚起を促すチラチやポスター等を作成し、注意を呼び掛けているが、ネットワークビジネス勧誘員の周到な口車により、注意喚起の呼びかけは全く役に立っていない。
普通に考えればわかる事なのだが、儲け話に目がくらんでしまうと、なかなか他人の言う事は耳に入ってこないようである。
しかし、それだけではなく、日本人特有の人間関係を悪用した、心理的な揺さぶりも被害を拡大させる一因となっているようだ。
これはどういう事かというと、ネットワークビジネスの勧誘員たちは、いきなりビジネスの契約に持ち込もうとはしない。
はじめのうちはご飯を食べに行ったり、麻雀やカラオケなど、余興から入るのが最近の手口である。
そうすることでまずは親睦を深め、断れない状況を意図的に作り出しているのだ。
「ご飯をおごってもらったから」とか、「親切にしてくれたから」といった具合に、人間感情の仕組みを巧妙に利用している事が窺えるのだ。
被害者たちは、はじめは良い人たちだと思ったにちがいなく、親切にしてもらったのに裏切れないという気持ちになってしまうわけだ。

おそらく、いくらなんでも途中で「おかしい」と気づくはずなのだが、このような心理作戦を巧みに利用されている為、なかなか不審な点がある事を言い出せない状況になっているのだろう。
それともう一つ特徴がある。
もし、被害者が契約書にサインするのをためらった場合、複数の勧誘員に囲まれ、イヤとは言えない状況を作り出す事が多い。
決して脅し文句を言う事はないが、大勢で取り囲む事によって威圧するのだ。

●同伴するケースも多い
ネットワークビジネスの勧誘員は、学生ローンの店舗に同伴することもよくある話だ。
学生ローンでは、申し込み金額や使用目的に不審な点が認められる場合、ネットワークビジネスの注意喚起を実施する場合が多いが、勧誘員を目の前にして事実を打ち明けられないケースも多いようだ。
同伴までされては、学生ローンとしても対応が難しい。
何しろ黒幕が近くで話を聞いているわけだから、やりにくい。
よく見られる光景として、聞き取り審査の際に申し込み者本人が答えず、同伴者がいちいち口を出してくるケースも見られる。
最もおかしな例として、返済日の希望を学生ローンが尋ねた際に、申し込み者が同伴者にお伺い立てるケースがあることだ。
これは誰がどう見てもおかしいだろう。
毎月の支払希望日を聞いているのに、いちいち同伴者に聞くのである。
これはどう考えても同伴者に金が渡る事はミエミエとなり、さすがに融資を断られる可能性が高くなる。
おそらく、当の本人が一番安心すると思うのだが、きまって同伴者がクレームをつけてくる事が多い。
このケース、融資を断った学生ローンの判断は正解である。
貸したお金が第三者にわたってしまうことはあきらかだし、しかも普通ではないシチュエーションだ。

そして、融資の可否を判断するのは学生ローンにあるわけだし、融資を断ったからといってクレームをつけるのはナンセンスだ。
あまり度が過ぎると、恐喝罪にもなり兼ねないので、身に覚えのある人は気を付けるようしよう。